​リニア中央新幹線とその問題

リニア中央新幹線とは

研究から実験までの軌跡です。

リニア中央新幹線は疑問がいっぱい

リニア・市民ネットが2015年に発行したパンフレットです。

なぜリニアに反対するのか

必要性、採算性、安全性、国民への負担、自然破壊、​残土処理、杜撰なアセスなどさまざまなリニアの問題を図表を用いてコンパクトに解説します。

山梨リニア実験線の動画を見る

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リニア新幹線の安全上の問題点   地震や事故、火災対策は・・・・

JR東海による説明

■地震対策

○活断層はなるべく短い距離で横切る。

○山岳部の地質がもろい場所ではトンネルは岩盤に固定するためロックボルトを打

 ちこむ。

○超電導磁石の働きで、地表から10センチ浮き上がっており、もともと地震の揺

 れには強い。しかも車体は常にガイドウエイの中心になるよう設計されてる。

○東日本大震災でも新幹線は大きな被害はなかった。リニアも揺れを感知して緊急

 停車できる新幹線の技術(早期地震警報装置)を採用しているので安全。

○地下の揺れは地表よりも少なく、地震に対しては地表より安全。

■事故対策

○東海道新幹線は1964年の開業以降、一度も死亡事故を起していない。

○電気が止まって緊急停車する場合も磁石の力が働くので緩やかに減速して止ま

 り、車体がドスンと落ちることはない。

○ゴムタイヤは飛行機のタイヤを参考にパンクしにくい高性能の素材を使う。パン

 ク対策として予備も積んでいて、下だけでなく左右方向にもついている。

○ブレーキは超電導磁石と推進コイルの間の電力回生ブレーキが基本。もし地上側

 の制動が効かず車両だけで止まらざるを得ない場合は、一つは、屋根に板を立て

 て空気抵抗を増やす方法があるが、これは速度が高くないと効かない。もう一つ

 はディスクブレーキで、自動車と同様ゴムタイヤの中にブレーキを入れている。

 この二つをミックスしながら、6キロという距離を90秒で止まれることを山梨

 実験線で行い確認している。

○クエンチ現象(何らかの原因でモーターに電流が流れなくなり超電導磁石が効力

 を失い、が突然止まり壁に接触したり、地上に落ちること。超電導磁石の中に外

 気が入って温度が上昇することが原因=宮崎実験線では4年間に14回起きた)

 は、山梨実験線では一度も起きていない。

■車両火災対策、液体ヘリウムの管理

○リニアの設備には、これまでにない発火源として、地上コイル、支持輪タイヤ、

 ガスタービンの3つがあり、火災対策上検討すべき課題となっている。※

○宮崎実験線で一度、支持輪タイヤから火災が発生して車両火災になった経験があ

 る。万が一タイヤから出火しても、タイヤが本格的に燃焼を開始するまでに約2

 0分かかる。さらに乗客の避難に必要な時間内に、地上コイル側に炎症拡大する

 ようなことが全くないことを、山梨実験線の試験結果で確認している。

○今の実験線の車両の先頭部分に、超電導磁石の電源としてガスタービンを積載し

 ているが、客室側との間に厳重な防火壁を設置し、万が一火が出た場合でも、考

 えられる限りの火災対策を講じている。※

○車両に発生した時はそのまま最寄りの駅まで走行させる。

○車両の耐火性、不燃性を高める。

○ヘリウムは高圧ガスとして扱い、安全性は確保できる。たとえ漏れても他の化学

 物質と反応する恐れはない。漏れることがないよう機密構造にしているし安全弁

 もついている。また一旦充填すれば補給する必要が無い。

■避難

○今の新幹線は、乗客1300人に対して、運転士以外に乗務員3人くらいがワン

 クルーで乗っている。リニアの場合も同様の対応がとられるだろう。リニアは運

 転士がいないので、車掌に相当する乗務員が避難誘導して行くという方針。※

○やむを得ずトンネル内で停車した場合、乗務員の誘導でトンネル下通路に降り、

 風上にある最寄りの立坑、ないし斜坑まで歩いて避難する。

○乗務員の誘導が十分できない場合は、お客様同士が協力して避難する。

○山梨実験線では、月に1回程度、センター員を中心に避難訓練をしている。実験

 線の定員は100名程度なので、その規模での避難訓練でしかないが、けが人も

 いるという状況も想定した訓練をしている。

■電磁波

○リニアから発生する磁界の主な発生源は車体に搭載する超電導磁石である。地上

 の推進コイルからの磁界もある。

○車両側の磁界については、車体の外板の内側に鉄の磁気シールドを張って磁気を

 隠ぺいし、車内への影響を防ぐ。駅の乗降では、ボーディング・ブリッジを設置

 して、ブリッジやホーム際(きわ)の部分は、すべて磁気を隠ぺいするシールド

 を施す。※

○列車がすれ違う時に電磁波は最大(12Hz)となるが、ICRINP(国際非電離放射

 線防護委員会)のガイドラインに比べリニア車内では100分の1、同じく沿線

 でも50分の1以下なので、身体に与える影響は無い。

■微気圧波、振動、騒音対策

○列車が高速でトンネルに進入するとき、空気が圧縮して微気圧波が発生し、反対

 側の出口から解放されるとき「ドーン!」という音が出る現象がある。トンネル

 の出入り口に、空気を徐々に逃す緩衝工を設置することで、この影響を緩和する

 ことができる。地上のあかり部分では、単なる防音壁ではなくあかりフードと称

 する半円形の構造物で覆うことを考えている。※

○地盤の振動については、リニアの車両が軽いこともあり、特段の対策が無くても

 基準はクリアできる。

○車両が空気を切る騒音と構造物の振動から生じる騒音が、騒音の種類としては卓

 越する。

<注>※は国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会での国交省技術開発室長の回答 第1回(2010年3月3日)、第2回(2010年4月15日)、第3回(2010年5月10日)、第4回(2010年6月4日)

それでも残る疑問や不安

■実験線での走行実験、安全対策の有効性の検証、車内磁界レベル、各種データな

 ど詳細な結果が明らかにされていない。

■地震の波動にはP波と、遅れてくるS波があり、直下型地震や活断層による地震の

 影響が検証されていない。

(阪神淡路大震災は新幹線始発前の発生で、直下型であっても影響は無かったが、それでも山陽新幹線の復旧には約1か月を要した。新潟中越地震では上越新幹線のトンネルで崩落事故があった。そこに新幹線が走行していたら大事故になったのでは。さらに、東日本大震災では仙台駅構内で脱線事故があった。この二つの場合は震源から離れており、直下型だったら相当な被害が出るだろう。)

■事故からの避難対策があまりにも杜撰である。

■発火源が多く、火災が心配。燃えたまま最寄りの駅についても二次的な被害につ

 ながる。

■長大トンネルの微気圧波が簡単な緩衝工で防げるとは思えない。

■電磁波の影響が心配。磁気シールドだらけということは、それだけ強い電磁波が

 出ることの証ではないのか。

■精密機械であるリニア車両と未知の超電導技術。どのようなトラブルが想定され

 るのかわからず、具体的な安全対策は無理ではないか。

■リニアの東京・名古屋間286キロのうち256キロが地下部分。その割合は8

 9%に達する。トンネル工事での事故の危険性も大きい。近年でも、道路・鉄

 道・海底トンネルで、ガス爆発、脱線炎上、海水の流入などの事故が相次ぎ、犠

 牲者も数多く出ている。昭和48年(1973年)12月北越急行の鍋立山トン

 ネル工事が、東(1.7505km)、中(3.387km)、西(3.979

 km)の3工区で大手ゼネコンに発注された。昭和55年(1980年)までに

 東、西の2工区の工事は完成したが、中工区の645㍍は手つかずの状態だっ

 た。その部分の地質は膨張地質と呼ばれるもので、TBM(トンネル・ボーリン

 グ・マシン)で一気に掘っても、進んだ距離以上に押し戻される難工事となっ

 た。地下150㍍のトンネル周囲の粘土が、山の重みやガス圧で押し出されトン

 ネルを埋めてしまう。最新のナトム工法も効を奏さず、昭和57年(1982

 年)3月に工事は中断、昭和61年(1986年)1月に工事を再開し、中央導

 坑が貫通したのは平成4年(1992年)10月。645㍍掘るのに7年を費や

 した。日本のトンネル屋は「掘ってはならないところを掘らなければならな

 い」。(「動く大地」の鉄道トンネル)峯崎淳著、交通新聞社刊より)。

■南アルプス付近の地層・地質

○薄い地層が重なり合い、不安定な地質となっている。

○フィリピン海プレートが南アルプス付近まで食い込んできており、過去には震度

 7の地震が発生。

■都市部での長大な大深度地下トンネルの掘削例が無い。また地表への影響などの

 実証実験が行われていない。山梨実験線は大深度地下トンネルが無く、その影響

 が検証されない。

■大量の地下水がわき出した場合は対処できない。

■トンネル工事が長期化し、工事による影響が長く、拡大する可能性がある。

■東海道新幹線は毎日終電後、1000人の保守要員が安全点検。リニアの286

 キロの保守・点検作業は。

■サイバーテロやリニア関連施設へのテロ対策が全く明らかにされていない。