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冊子に抗議して
山梨県は、本年1月、「リニアで変わるやまなしの姿」という冊子を発行した。山梨県出身の漫画家吉沢やすみ氏の手になるもので、リニアができると、生活が革命的に便利になり、産業の観光にも多大な好影響が生じるという内容である。デメリット、例えば南アルプスのトンネル掘削による自然破壊や、騒音などの生活被害にはいっさい触れず、利便性だけを強調した、一方的で偏向した内容になっている。
作成費は1200万円、作成部数は15万部(うち県内の小中高校に11万部を配布)。山梨県がこうした偏向した内容の冊子によって広報につとめたことに対し、市民団体(リニア・市民ネット山梨、山梨リニア沿線住民の会)は、冊子の回収、デメリットを描いた冊子の作成、1200万円の賠償などを求めて、本年3月9日及び3月20日に要望書を提出したが、いずれも県から拒否されたので、4月17日に監査請求を提出した。しかし6月14日に「棄却」の結果が申し渡されたので、この度甲府地裁に住民訴訟を起そうと準備している。争点は、リニアを偏向した内容によって県民に広報したことと、学校に配って生徒たちに利便性のみを伝えたことは、教育の中立性を侵す行為であるという点になる。
(リニア・市民ネット山梨、山梨リニア沿線住民の会、川村記)
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